柏崎刈羽原発 再稼働へ最終試験に万全期せ(5月8日付・読売社説)
東京電力の柏崎刈羽原子力発電所が、再稼働へ向けて動き出す。
http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20090507-OYT1T01080.htm
一昨年夏の中越沖地震で被災し、所内の全7基が停止していた。このうち点検、補修を終えた7号機について、新潟県の泉田知事が運転再開に同意する考えを表明した。
運転再開と言っても、「起動試験」だ。原子炉の出力を徐々に上げながら、配管や弁からの漏れはないか、発電用タービンの回転に問題はないか、といった項目を最終的に確認していく。
試験には50日程度かかる。順調に終わり、再度、地元了解が得られれば、電力需要期の7月までには営業運転に入れる見通しだ。
極めて大切な試験と言える。原子炉の安全性確保のため、最終試験には万全を期してほしい。
すでに、政府の原子力安全委員会は、今年2月、7号機の安全性を最終確認している。
東京電力による点検で重大な損傷が見つからなかったことが根拠の一つだ。地震の揺れを分析した結果、想定外の強い揺れだったものの、建物や機器に重大な損傷は出ない範囲だったことも、安全性確認の材料になっている。
新潟県が専門家に依頼した独自の検討でも、同様の結論だ。
実地で行う起動試験では、こうした検討結果を裏付けるデータを得ることが大切だ。地域の信頼を得るためにも、丁寧に経過を公開しながら進めねばならない。
6号機も、ほぼ点検を終えている。7号機の試験が円滑に進むことが、6号機の運転再開へ道を開くことにもつながる。
どちらも、国内最大級の原子炉だ。日本のエネルギー安全保障と地球温暖化対策の重要性を考えると、これらが電力供給の一線に復帰する意義は大きい。
日本の原発は近年、稼働率が低迷している。世界では8~9割が主流だが、国内では、昨年の実績で6割だ。柏崎刈羽原発の全面停止が、大きく響いている。
稼働率の低迷は主に火力発電で補うしかない。このため、燃料費はかさみ、温室効果ガスの排出が増えてしまう。特に一昨年度は、排出量が、京都議定書の基準年である1990年を約9%も上回る最悪の結果となった。
経済産業省は、原発の稼働率を上げるため、点検作業の効率化を目指している。柏崎刈羽原発のように、トラブルで停止した原子炉の速やかな復旧が可能になるよう作業手順も見直す考えだ。
7号機の再稼働は、その参考事例にもなろう。
(2009年5月8日01時30分 読売新聞)
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