相次ぐ原発火災/地元の信頼を失墜させる
東京電力の柏崎刈羽原子力発電所(新潟県)で、火災が続発した。7基すべてが停止した新潟県中越沖地震(2007年7月)からこれまでに、9件もの火災が起きた。
http://www.kahoku.co.jp/shasetsu/2009/04/20090427s01.htm
異常な多さであり、地元から強い不安感を抱かれるのは当然のことだ。原子力発電を行う事業者として極めてお粗末であり、絶対に再発を防がなければならない。
同じ東電の福島第一、第二原発では火災は起きていないが、柏崎刈羽のケースを教訓にして、必要ならより厳しい対策を取る必要がある。
柏崎刈羽ではまず、中越沖地震から2カ月後の07年9月に、1号機建屋のクーラーの電源ケーブルが焼ける火災があった。その年にもう1件、次の08年には4件、今年も今月までに3件の火災が起きている。
この間、柏崎市消防本部から5回も指導を受けている。今年3月には、火や危険物を取り扱う作業の禁止命令も出された。度重なる火災に、経済産業省や新潟県から「対策の考え方に甘さがあるのではないか」などと厳しく批判される始末だった。
東電は何としても安全対策を実現させ、信頼を取り戻さなければならない。柏崎刈羽で火災がなくなればそれでいいという対応ではなく、ほかの原発でも万全を期すのは当然だ。
原子力施設の火災や地震被害に対し、国民は厳しい目を向けるようになっている。きっかけになったのは言うまでもなく、中越沖地震の際の柏崎刈羽原発だった。
変圧器が燃え、消火まで2時間もかかった。ずさんな防災体制だったことは、東電自身の調査で明らかになっている。地震によって変圧器から出火したのは仕方ないとしても、化学消防車もなく消火活動ができなかったのは、火災や地震への備えがそもそも欠けていたと考えるしかない。
地震によって国内の原発で初めて火災が起きたことも衝撃的だったが、効果的な対応ができなかったという危機管理のまずさは、もっと問題視されなければならない。
その後も火災が続けば、地元の反発を受けるのは当たり前だろう。東電は2月に柏崎刈羽7号機の運転再開を申し入れたが、火災の影響で地元の了解が先送りされたいきさつがある。再開に地元が慎重姿勢を強めたのも無理はない。
原発の火災は昨年、東北電力の女川原発(宮城県女川町、石巻市)で3件相次ぎ、徹底した安全対策を求められた。中越沖地震の後、国内の各原発で防火対策が進んだのは確かだろうが、出火させないことがまず大切になる。原発内の火災は、地元との信頼関係に直結することを各電力は認識すべきだ。
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