新潟県知事、原発との共存に決意
新潟県中越沖地震から1年10カ月。東京電力柏崎刈羽原子力発電所7号機の運転再開に7日、同意した泉田裕彦知事は慎重姿勢から一転、せきを切ったように原発への考えを吐露した。エネルギー、地球環境の問題から原発の必要性に触れ、「当面、新潟県は原発と共存する道を選択すべきではないか」と踏み込む一方、安全性を向上させる仕組みづくりを国に求める姿勢も見せた。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090508-00000112-san-l15
「夜中に目が覚めることもあった。相当プレッシャーがかかる課題だった」。再開判断が一身に委ねられた重圧を、知事はこう記者団に打ち明けた。苦悩させたのは、100%安全と言い切れない問題だ。原発に慎重な学識者を加えた県技術委員会の小委員会では、原発沖の海底活断層の長さについて「36キロ」と「50~60キロ」に意見が分かれ、1年間論争が続いた。地震後、9件の火災が相次いだことも再開判断にブレーキをかけた。
新潟県では、社民党や自治労を中心に反原発運動が盛んだ。知事は高濃度汚染地域が半径数百キロに及んだ旧ソ連のチェルノブイリ事故を挙げ、「仮に柏崎刈羽原発を廃止しても国内に原発が存在する限り、事故のリスクがなくなるわけではない」と訴えた。
知事が問題にしたのは原発の安全神話だ。「事故は起きるという前提に立って対策を立てるべきだ」との考えから4月、県地域防災計画に、大規模な自然災害が原子力災害を引き起こす「複合災害」の項目を設け、対応を定めた。原発の隠蔽(いんぺい)体質をなくすため、トラブルを申告した場合は個人の過失を免責できるよう国に法改正を求める考えも示した。
「日本の、ひいては世界の原発の安全性を高めるため、安全性について懐疑的な立場から積極的に原発にかかわり続けていく方が望ましい」。知事は、それが7基併せた出力で世界最大となる原発が立地する県の責務だと決意表明したといえるだろう。(永岡栄治)
最終更新:5月8日7時58分
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