静岡で震度6弱 東名崩落通行止め M6.5 浜岡原発、自動停止
十一日午前五時七分ごろ、静岡県の焼津市や御前崎市などで震度6弱の地震があった。気象庁によると、震源地は駿河湾で、震源の深さは約二三キロ。マグニチュード(M)は6・5と推定される。気象庁はマグニチュードや発生メカニズムから「東海地震ではなく、その前兆でもない」との見方を示した。静岡県を中心に八十七人が負傷。警察庁によると、死者や行方不明の情報はない。東海道新幹線が始発から二時間運転を見合わせ、東名高速道路は静岡県内で一部区間が通行止めとなった。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2009081102000251.html
各自治体のまとめでは、住宅内で転倒したり家具の下敷きになったりして負傷したのは静岡八十一人、愛知三人、神奈川二人、東京一人。静岡県で震度6以上の地震は、一九四四年の東南海地震以来。
中部電力によると、御前崎市の浜岡原発4、5号機が地震のため自動停止したが、外部への影響はない。地震発生直後、静岡市や掛川市内などを中心に計約九千五百戸が停電した。
東海道新幹線は午前八時に運転を再開。在来線もJRの東海道線や中央線の一部区間で運転を見合わせたほか、御殿場線と身延線が一時ストップした。
中日本高速道路によると、東名高速は静岡県牧之原市で路肩が約百メートルにわたり崩落し、静岡-袋井が通行止め。同県の菊川インターチェンジ付近でも道路が五~十センチ隆起した状態になっているのが見つかった。
JR東海バスによると、名古屋、東京を結ぶ東名ハイウェイバスが全面運休した。
静岡空港では管制塔の室内照明器具が落下するなどしたが、運航に支障なし。静岡県内の相良港、御前崎港、焼津漁港で岸壁の沈下が確認された。
総務省消防庁によると、静岡市内で火災四件が発生した。伊東市川奈でがけ崩れ、掛川市で土砂崩れの情報があり、県警などが確認中。気象庁は伊豆諸島と静岡県に一時津波注意報を出し、静岡県の焼津などで最大六〇センチの津波が観測された。
静岡県には台風9号が接近しており、東海では一時間に五〇ミリの非常に激しい雨の恐れがある。
東海地震とは別 気象庁
十一日朝の駿河湾を震源とする地震は、想定される東海地震とは違うメカニズムで発生した。だが、震源は東海地震の想定震源域の中にある。東海地震を起こすプレート境界の近くで大きめの地震が起きたことが、どう影響するのか。気象庁は最終的に「東海地震に結び付くものではない」と判断した。
「東海地震そのものではない。想定されるM8クラスより、Mが1以上小さい。この地震と東海地震との関係は検討中」。同日早朝に緊急会見した気象庁の関田康雄・地震津波監視課長は説明した。
東海地震は、沈み込むフィリピン海プレートと陸側のプレートの境界面がずれ動く「逆断層」型。今回の地震は、駿河湾の海底下に北東と南西から圧縮する力が加わって起きた「逆断層」型だが、「横ずれ断層」的な動きも含まれていた。
逆断層の角度や、力の働く向きも東海地震とは違うことから、異なるメカニズムで発生したとみられる。
東海地震との関連を検討するため、気象庁に緊急参集した地震防災対策強化地域判定会の阿部勝征会長(東大名誉教授)は「最悪のシナリオは今回の地震が東海地震の前兆滑り(プレート境界がゆっくり動きだす現象)を誘発すること。東海地震につながるのではと懸念した」と話す。
今回の地震後、東海各地に埋設したひずみ計データは緩やかな変化を続けたが、想定される前兆滑りとは向きが違う動きで、昼前には変化も収まった。このため、気象庁は前兆滑りではないと判断。「通常の監視態勢に戻す」(横田崇・地震予知情報課長)という。
<東海地震> 静岡県中、西部から駿河湾、遠州灘にかけてを震源域とし、マグニチュード(M)8クラスと想定される巨大地震。東海から四国沖にかけての太平洋では、100~150年間隔で巨大地震が起きたが、駿河湾周辺だけは江戸時代の安政東海地震以来、約150年間地震がない「空白域」で、東海地震を予測する根拠となっている。1978年制定の大規模地震対策特別措置法で、政府と静岡県など関係8都県を中心に防災対策を策定。東海地震を予知した場合は国を挙げて防災態勢を敷く。
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