露、旧ソ連友好国に商機 欧米日との“原発商戦”激化へ
【モスクワ=佐藤貴生】ロシアはプーチン首相のインド訪問で、原子力発電所建設の受注獲得に成功した。インドは経済成長を支える電力需要を確保するためエネルギー供給源の分散化を急いでおり、海外で原子力ビジネスを拡大したい双方の思惑が一致した形だ。ベトナムやタイ、フィリピンなど東南アジア諸国でも原発建設の機運が高まっており、欧米や日本、韓国にロシアを巻き込んだ争奪戦は激化しそうだ。
http://sankei.jp.msn.com/world/europe/100315/erp1003151947004-n1.htm
プーチン首相は12日、ニューデリーでシン首相と会談。同行したイワノフ露副首相は記者団に、「インド国内の3カ所で16の原子炉をロシアが建設することで合意した」と述べた。
ロシアは以前、インド南部タミルナド州のクダンクラム原発の原子炉建設を受注しており、うち1基は年内にも稼働する見通し。今回は同原発で最大6基の原子炉を増設する事業に加え、東部・西ベンガル州ハリプールでの原子炉6基の建設事業などを受注した。
インドの原子力市場は2005年、米国が平和利用協力に舵を切って国際競争が本格化した。ロイター通信によると、今年、7%の経済成長が見込まれるインドは、エネルギー需要に占める原子力の割合を倍増させる長期計画を打ち出しており、市場規模は1500億ドルともいわれる。
ロシアは今回、インドの市場争奪戦で一歩リードした形だが、楽観はできない。インタファクス通信によると、仏国営原子力企業アレバも原子炉6基の建設を受注したとみられるほか、東芝傘下の米ウェスチングハウスと日立製作所・GE(ゼネラル・エレクトリック)の連合に加え、カナダや韓国の企業もインド側と協議している。
半面、インドでの受注増でロシアの東南アジア進出に弾みがつく可能性もある。2月には日本やフランスと争う中、ベトナム中部ニントゥアン省の原発建設(2基)の受注も得たとされている。
ベトナムは同時に、中印などと並ぶロシアの兵器売却先の「5指に入る」(国営ロシア通信)という。ロシアが旧ソ連時代の友好国に、兵器売却をからめて原発の“商談”を進める手法はインドと共通している。
東南アジアでは、ベトナムのほかにも、タイやインドネシア、フィリピンなどで、不足するエネルギー対策と地球温暖化対策の一環として、原発の稼働が検討・計画されている。
ロシアにとって、原子力ビジネスは石油・天然ガスと並ぶエネルギー輸出の中核だ。プーチン首相の訪印中には、1986年のチェルノブイリ原発事故を引き合いに原発の安全性を問う声が記者団から上がったが、首相は「ロシアの原子炉は世界で最も安全だ。中規模の旅客機が墜落しても耐えられる」と豪語し、国を挙げてセールス活動を続ける姿勢を示した。
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