安全管理懸念残し決着 女川原発プルサーマル容認
宮城県と女川町、石巻市は7日、東北電力女川原発3号機のプルサーマル計画について、受け入れの前提条件とした「安全性」と「住民の理解」が満たされたと判断し、容認した。トラブルや不祥事続きで原子力全体への信頼回復が途上にある中、地元自治体は慎重な手順を踏んだことを強調するが、核燃料サイクルの先行き不透明感はぬぐえない。初歩的ミスが続いた東北電力の安全管理体制への懸念も残ったままだ。
http://www.kahoku.co.jp/news/2010/03/20100308t11017.htm
安全性については、独自に外部有識者の意見を聞く会議を設け、確認作業を進めた。会議新設には当初、県が消極的だったが、地元2市町の意向を踏まえ、より丁寧な手続きに転換。住民には、慎重派を交えた講演会や討論会を先行自治体より手厚く計5回開催し、議論の素材を提供した。
自治体への事前協議申し入れ以降も、女川原発で火災や人為的なトラブルが相次いだ東北電力は、地元2市町で全戸訪問などを重ねて計画への理解を求め、トラブル対策も強化した。昨年後半以降は女川原発の安定運転が続き、一定の安心感につながった。
この間、九州電力玄海原発(佐賀県)で国内初のプルサーマルが始動。四国電力伊方原発(愛媛県)も続き、計画には追い風となった。
女川町議会や石巻市議会の意見で慎重な内容が一定数を占めるなど、住民には不安が残っている。予想される宮城県沖地震への対応も含め、東北電力への信頼がどこまで回復したかを見極めるのは困難だ。住民理解は結局、首長が「相当程度得られた」と政治決断するしかなかった。
プルサーマルで使用された後のプルトニウム・ウラン混合酸化物(MOX)燃料は、国の政策で「10年ごろから処理方策を検討する」とされているが、原発の周辺地域では留め置かれ続けることへの警戒感も根強い。
東北電力は今後も、地域の懸念に最大限配慮し、情報公開などの不安解消策に取り組むことが使命となる。国は先送りされた課題を着実に進めることが求められる。自治体は「安全性」に加え「国策」の行方を厳しく見極める重い責任を負う。(解説=報道部・佐藤崇)
2010年03月08日月曜日
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